物心ついたときから人並み外れた怪力を持ち、幼い頃の交通事故で両親を亡くして叔父夫婦に引き取られた大学生の騨馬が主人公です。ある夜、足の悪い老人を助けたお礼に高性能なヘルメットとゴーグルを譲り受け、「終末が近づいている」「闘争心を忘れないでくれ」という謎めいた言葉を告げられます。
以来、口裂け女らしき怪異と遭遇したり、大家の幼い娘を気にかけて世話をしたりしながら、友人のカズマや武田、武内たちに誘われて肝試しで廃病院へ向かうことになります。街角では「終末が近づいている」と説く怪しい演説をする人物や、テレビでは不審者や心霊写真、大地震や大津波に備えたシェルター建設のニュースが日々流れ、世間には不穏な空気が漂い始めています。
当初は他愛のない話として聞き流していた騨馬も、老人の言葉と重なる出来事の断片に少しずつ胸騒ぎを覚えるようになります。友人たちとの軽妙なやり取りを交えながら、じわじわと日常に異変が忍び寄っていく様子を描く物語です。