漁業で栄えてきた地方の港町、深名を舞台にした物語です。新市長として就任したナナリー・ランペルージは、街の観光振興を掲げながら、その裏で20年前に起きた爆破テロ事件への復讐を静かに進めています。ナナリーの甥であるやる夫は、コンサルティング会社の従業員という表向きの顔を使い分けながら、共犯者マーリンとともに、街の実権を握る漁師の一族・瀬戸たちを追い詰める計画に加担しています。
困窮する事業者へ資金援助を持ちかけて取り込み、瀬戸一族の目の届かないところで街に薬物を浸透させるなど、じわじわと街を蝕んでいく手口が描かれます。伝統と利権にしがみつく瀬戸一族と、それに反発する市井の人々の対立を背景に、やる夫たちの復讐劇が静かに進行していく物語です。